拡大読書アプリ「さんさんビュー」使用説明書

株式会社アメディア
「さんさんビュー」ホームページ

もくじ


1. 使う前の準備

  1. 「さんさんビュー」インストーラを実行する。
  2. 専用のカメラをパソコンに接続して、開いた状態にする。
  3. 「さんさんビュー」アプリのアイコンを開く。
    CatView2 Icon
ワンポイント
カメラの接続口は USB 3.0 以上を推奨します。

1.1. カメラのライト

カメラを開いた腕の先端にライトのスイッチ(タッチセンサー式)があり、軽く触れると点灯します。 明かるさは3段階あり、スイッチへ触れるたびに明るくなって最後に消灯します。

ライトをつけると文字認識処理の精度が上がることがあります。 だだし、つやのある印刷物はライトが反射して逆効果になることがあります。

文字認識処理の精度はカメラのライトだけでなく、周囲の照明の位置も工夫すると変わることがあります。 照明の位置は真上ではなく斜め上から光が当たるようにすると良いでしょう。 どのような照明であっても印刷物の上に物や人の影が落ちないよう注意しましょう。

2. 拡大読書機として使う

さんさんビューを起動して、 カメラの真下に印刷物を置きます。 起動時は、「動画表示モード」になっています。撮影したことがあればその内容を表示します。

ワンポイント
ノートパソコンに内蔵カメラが搭載されている場合、 接続したカメラとは別のカメラの映像が起動時に表示されることがあります。 このようなときは F1 キーを押してカメラを切り替えてください。
メニューボタン 撮影ボタン ズームバー 書き込みボタン 文書ボタン

画面右のズームバーで拡大率を変更し、 画像部分をマウスでドラッグして表示範囲を移動することができます。

画面の各四隅にはボタンが配置されています。 各ボタンには以下のような機能があります。 いくつかの操作はキーボードからも可能です。

アイコン機能キー
撮影・ライブ
ライブ画像状態と静止画状態を切り替えます。 Enter
ズーム
拡大率を変更します。 一番下が低く (全体表示)、 上に行くほど高くなります (最高 16倍まで)。 Page Up または
Page Down
文字の書き込み
書き込みモードのオン・オフを切り替えます。 F9
文書を表示
文書管理画面を表示します。 F4
表示範囲を移動します。
ワンポイント
表示範囲を移動するとき、同じ方向のキーを2回以上素早く押すと、自動的にスクロールが始まります。 押すたびにスクロールが速くなり、違う方向のキーを押すと自動スクロールが止まります。

方向キーを押している間はスクロールし続け、長く押しているとスクロールが速くなります。

2.1. 全画面表示

画像の全画面表示を切り替えるには、 F11キーを押してください。

2.2. 静止画の撮影

撮影・ライブ ボタンを押すと、現在の画像が静止した状態になります。 このとき、画像の微妙な傾きが補正され、文字認識が実行されます。 もう一度このボタンを押すと、画像はライブ画像に戻ります。 なお、ボタンの変わりにEnterキーを押しても撮影が可能です。

ワンポイント
静止画の撮影は、必ず印刷物とカメラが静止した状態でおこなってください。 印刷物あるいはカメラが動いている状態で撮影すると、 取得した画像がぼやけることがあります。

通常の状態では、よく利用するボタンのみが画面の四隅に表示されています。 すべてのボタンを表示するには、画面左上の メニュー ボタンを押してください。

メニューに表示されるボタンは以下のとおりです。

アイコン機能キー
カメラの切り替え
お使いのPCにカメラが複数台接続されている場合、 それらを切り替えるのに使います。 F1
時計回りに回転
画像を時計回りに90°回転させます。 文字が上下さかさまになっていたり、 横向きに表示されている場合に使用します。 F2
焦点を合わせる
カメラの焦点を合わせます。 画像がぼやけている場合に使用します。 F3
文書を表示
文書管理画面を表示します。 F4
撮影・ライブ
ライブ画像状態と静止画状態を切り替えます。 Enter
カラー表示
カラー表示に切り替えます。 複数回押すと、画像の表示方法を切り替えます。 (通常 → 色強調表示 → 輪郭強調表示) F5
白黒表示
白黒表示に切り替えます。 複数回押すと、配色の方法を切り替えます。 (黒・白 → 白・黒 → 青・黄 → 黄・青) F6
明るさを変更
明るさ・コントラストを変更します。 + / -
文字表示
文字表示のオン・オフを切り替えます。 F7
十字カーソル
十字カーソルのオン・オフを切り替えます。 F8
文字の書き込み
書き込みモードのオン・オフを切り替えます。 F9
書き込みの検索
書き込みがされた位置に移動します。 F10
テキストのコピー
選択されているテキストをクリップボードにコピーします。 Ctrl + C
クラウド認識
クラウドサービスをつかって文字認識をします。 スペースキー
ヘルプを表示
使い方説明 (本文書) を表示します。 F12

2.4. 色・明るさの調整

メニュー中の カラー表示 白黒変更 および 明るさ変更 ボタンを使って、 お好みの色と明るさに合わせます。 明るさ変更ボタンを押すと 画面上に明るさを調整するためのバーが表示されます。

3. 音声で読み上げる

静止画を撮影すると文字認識が行われ、 文字として認識された部分が画像に重ね合わせて表示されます。 この時点で文字部分をクリックすると、 その部分が音声で読み上げられます。

文字部分を長く (1秒ほど) 押しつづけると、 その部分からページの最後まで連続して文が読み上げられます。 連続した読み上げは、画面下に表示されている 再生・停止 ボタンでもおこなうことができます。 また、現在読み上げている文章は 戻る・進む ボタンで進んだり戻ったりすることができます。 また、文中に表示されている「」記号を押すと、 次の行に移動します。

ワンポイント
撮影環境、および印刷物自体の構成によって、 文字認識の精度は変化することがあります。 文字がうまく読み上げられない場合は、 何度か条件を変えて撮影をやり直してみてください。

4. 文章として読む

文字認識が終わった状態でさらに 文字表示 ボタンを押すと、画像を表示せずに文字表示だけが行われます。 この状態では、現在読み上げている文章が強調表示されます。 この場合も、画面下の 再生・停止 ボタンおよび 戻る・進む ボタンが有効です。 また、キーボードの スペースキー および 矢印キー / を使っても 停止・再生および文章中の移動ができます。

拡大率をある一定以上にすると、すべての文字を横一行で表示します。

4.1. 認識結果をコピーする

テキストのコピー ボタンを押すと、画面上でハイライトされている部分の 文字をクリップボードにコピーすることができます。 コピーした文字列は別のアプリ等に貼りつけることが可能です。

5. 高度な機能

5.1. 十字カーソル機能

十字カーソル ボタンを押して、 文字の左上に (縦書きの場合は右上) に十字カーソルを設定します。 十字カーソル機能は、特定の位置から水平あるいは垂直に 文字を追っていく場合に便利です。 行末まで来たら左 (または上) の ジャンプバーを押すと、行頭に戻ることができます。 十字キーの設定・移動はキーボードの Ctrl キーを 押しながら矢印キーを使うことによってもおこなえます。 また、キーボードの Shift キーを押しながら 矢印キーを押すと、その方向の十字カーソルにジャンプします。

ジャンプバー 十字カーソル ジャンプバー

5.2. 書き込み機能

静止画の状態で 書き込み ボタンを押すと、書き込みモードのオン・オフが切り替わります。 書き込みモード中は、画面をマウスまたはタッチ操作でなぞることにより 画像の上にメモを書き込むことができます。

ワンポイント
書き込みを削除したり、 削除した書き込みを再び表示する場合は、画面下にある 元に戻す・やり直し ボタンを使います。

書き込みの検索 ボタンを押すと、書き込みがされた位置に画面の中心が移動します。

5.3. ペン先追従機能

ライブ画像の状態で 書き込み ボタンを押すと、拡大表示中に手書きができるように 動画の更新速度が上がります。 この状態で、さらに ペン先認識 ボタンを押すと、ペン先追従機能のオン・オフが切り替わります。

ペン先追従中は、画面の外に鉛筆またはペンと認識された物体があると その方向を画面中央の赤矢印で示します。

ワンポイント
手書き・ペン先追随中は静止画の撮影はできません。

5.4. クラウド認識

ライブ画像の状態で クラウド認識 ボタンを押すと、画像が静止した状態になります。 このときの文字認識はさんさんビューがインターネット上の クラウドサービスを利用しています。

この機能を使うにはクラウド認識サービスのご契約を別途していただく必要があります。 (お買い上げいただいてから1年の間だけ100回まで、無料でお試しいただくことができます)

クラウド認識の実行にはインストールで使ったマスターUSBメモリを起動時に接続しておく必要があります。 クラウド認識に成功すると USB メモリをはずしてもクラウド認識を続けて実行できます。 ただし、さんさんビューを立ち上げなおした場合、もう一度 USB メモリを差さないとクラウド認識は実行できません。

ワンポイント
バージョン情報は Shiftを押しながらF1 で表示されますが、インストールでつかった USB メモリが差してあると、 クラウド認識の有効期限と利用できる回数が表示されます。

5.5. 保存した画像の呼び出し

さんさんビュー では、 これまでに撮影した静止画はすべて保存されています。 文書管理 ボタンを押すと、撮影した画像の一覧が表示されます。

画像は撮影した日付ごとにまとめられています。 画面をマウスで上下左右に動かして、呼び出したい画像をダブルクリックすると その静止画が拡大表示されます。 また、キーボードの 矢印キー / / / で画像を選択し、 Enter で画像を呼び出すことができます。

5.6. 保存した画像に付箋をつける

画像をクリックして選択すると 付箋 ボタンの上に「+」印が表示されます。 この状態で付箋ボタンのどれかを押すと、 表示中あるいは選択中の画像にその色の「付箋」が付けられたことになります。 付箋がつけられた画像は、一覧表示中に付箋がついた状態で表示されます。

また、画像を選択していない状態で一覧表示画面の上にある各 付箋 ボタンを押すと、 特定の色の付箋のついた画像のみを 絞りこんで表示することができます。

ワンポイント
キーボードのCtrl を押しながらマウスで画像をクリックすると、複数の画像を選択することが出来ます。

5.7. 保存した画像の削除

画像をクリックして選択すると ゴミ箱 ボタンの上に「+」印が表示されます。 この状態でゴミ箱ボタンを押すと、 表示中あるいは選択中の画像が削除されます。 また、画像を選択していない状態で一覧表示画面の上にある ゴミ箱 ボタンを押すと、 現在ゴミ箱に入っている画像を一覧表示します。

ワンポイント
ゴミ箱に入れられた画像は、 さんさんビューを終了するまで実際には削除されません。

5.8. 保存した画像の認識結果をコピーする

保存した画像をクリックしてメニューの テキストのコピー ボタンを押すと、画像の認識結果をクリップボードにコピーします。 コピーした文字列は別のアプリ等に貼りつけることが可能です。

5.9. 画像ファイルの取り込み

さんさんビュー 以外のアプリで撮影した画像ファイル (JPEG形式あるいはPNG形式) をお持ちの場合は、 さんさんビュー のウィンドウ内に ドラッグ・ドロップすることにより取り込むことができます。 取り込んだ画像はカメラで撮影した画像と同じように扱われ、 文字認識が実行されます。

ワンポイント
さんさんビュー 内に取り込まれた画像は 「ピクチャ」フォルダ中の "さんさんビュー" フォルダ内に保存されています。

5.10. ボタン配置の変更

メニュー表示中に、メニューのボタンを画面の隅 (左下・右下・右上) までドラック・ドロップすることにより、 各ボタンに割り当てられた機能を変更することができます。

ご注意
画面左上の「メニュー」ボタンの割り当てを変更することはできません。

5.11. 高度な設定

メニュー ボタンを右クリックすると、 高度な設定を変更するメニューが表示されます。

項目名説明
ボタンを自動的に隠す このチェックがオンになっている場合、 一定時間操作されないときにボタン類およびズームバーが自動的に非表示状態になります。 なにか操作をすると、ボタンは再び現れます。 デフォルトでは、この機能は無効になっています。
音声ガイドを使う このチェックがオンになっている場合、 現在の状況が音声で逐一アナウンスされます。 デフォルトでは、この機能は有効になっています。
電源周波数 この設定はカメラが照明の影響を受けないようにするものです。 お住まいの地域によって「50Hz」あるいは「60Hz」を設定してください。
認識言語 文字認識をおこなう言語を設定します。 「日本語」あるいは「英語」のいずれかが選択できます。
映像の解像度設定... 映像を特殊な解像度に変更したいときに使います。
映像プロパティの設定... 映像設定を細かく調整したいときに使います。
画像フォルダの設定... さんさんビューの画像を保存するためのフォルダを指定します。 通常これは「ピクチャ」フォルダに指定されています。 普通は、このフォルダを変更する必要はありません。
出荷時の設定に戻す これまでの設定をすべてリセットし、 工場出荷時の設定に戻します。
このアプリケーションについて... さんさんビューのバージョン情報とクラウド認識情報を表示します。

6. 困ったときは

6.1. カメラの映像が表示されない

カメラが折りたたまれていないか確認してください。 カメラからの映像が灰色あるいは黒色の画面の場合は、 カメラの切り替え ボタンを押してみてください。 改善されない場合、カメラの接続をパソコンからいったんはずし、 2〜3秒待ってからふたたび接続してみてください。 また、パソコンに USB の差し込み口がいくつかあれば、場所をかえて接続してみてください。

まれに、表示の切り替え (静止画の撮影、画像の回転など) をおこなった時に カメラからの接続が切れることがあります。このような場合も上と同様に 一度カメラの接続を PC からはずし、2〜3秒待ってから再接続してみてください。

6.2. 映像が暗い・ぼやけている

カメラの映像が暗い場合は 明るさ変更 ボタンを使って、明るさを調整してください。 映像がぼやけている場合は、 印刷物とカメラとの焦点が合っていないことが原因と考えられます。 印刷物とカメラの位置を合わせたあと、カメラの周囲が明るいことを確認してから 焦点を合わせる ボタンを押して、焦点を再調整してください。 周囲の照明が十分でない場合、正しく焦点が合わないことがあります。

6.3. 映像の一部が欠けている・向きがおかしい

映像の一部が欠けているか、あるいは向きがおかしい場合は カメラと印刷物との向きが合っていない場合があります。 印刷物の向きを変えるか、あるいは 時計回りに回転 ボタンを押して画像の向きを変更してください。 また、拡大率が高く設定されている場合にも映像の一部が 表示されないことがあります。このような場合は拡大率を下げるか、 あるいは画像をスクロールさせて拡大したい箇所が表示されるようにします。

6.4. 音声が出ない

静止画の撮影後に文章を読み上げない原因は 2通り考えられます。 ひとつは画像中の文字が正しく認識されていないか、あるいは 音声合成によって読めない文字が表示されている場合です。

文字が正しく認識されていない場合は、 6.5. 意味不明な文章が表示されるの項を参考に 撮影の方法を工夫してみてください。いっぽう認識はされているのに、 音声合成がされない場合は、お使いの Windows の言語設定または さんさんビュー の認識言語の設定を確認してください。 なお、日本語の文章を読み上げるためには Windows 10 が必要です。

6.5. 意味不明な文章が表示される

画面に意味不明な文字が表示される、あるいは意味不明な文章が 読み上げられる場合は、文字認識処理の精度が悪いことが考えられます。 このような場合は撮影の条件を変えて、再度印刷物を 撮影・認識してみてください。

具体的には、印刷物とカメラがどちらもブレなく固定されており、 カメラの焦点が合っていて、さらに周囲に適切な明るさがある状態が理想的です。 カメラの影が画像に写っていると精度が低下する場合があります。 また、印刷物がつやのあるもので、そこに光が反射している場合も 認識精度が低下します。このような場合はカメラのライトを消し、 部屋の明かりだけで撮影したほうが精度が高くなる場合があります。

付録

A. キーボードを使った操作

さんさんビューの操作は、 キーボードを使っても行うことができます。

キー操作機能
表示範囲の移動、または文の移動。
Enter
撮影・ライブ
Page Up または
Page Down
ズーム
F1
カメラの切り替え
F2
時計回りに回転
F3
焦点を合わせる
F4
文書を表示
F5
カラー表示
F6
白黒表示
+ または -
明るさを変更
F7
文字表示
F8
十字カーソル
F9
文字の書き込み
F10
書き込みの検索
Ctrl + C
テキストのコピー
スペースキー
ライブ画像状態で クラウド認識
静止画状態で読み上げの停止と再開。
Shift を押しながら
F10
高度な設定メニューを開きます。
F11 全画面モードを切り替えます。
F12 使い方説明 (本文書) を表示します。
Esc ボタンを一時的に非表示にします。
Ctrl を押しながら
十字カーソルの設定・移動。
Shift を押しながら
十字カーソルの位置へジャンプ。
フルキー 画像の一覧表示で、特定の色の付箋のついた画像のみを絞りこんで表示します。
Shiftを押しながら
フルキー
画像の一覧表示で、現在選択されている画像に付箋を付けます。
Delete 画像の一覧表示で、現在選択されている画像を削除します。
Shift を押しながらF1 バージョン情報とクラウド認識情報を表示します。

7. お問い合わせ

その他、さんさんビュー の操作に関するご質問は 株式会社アメディアに お問い合わせください。

株式会社アメディア
〒176-0011
東京都練馬区豊玉上1-15-6
第10秋山ビル1階
電話. 03-6915-8597
FAX. 03-3994-7177


株式会社アメディア, バージョン 3.0, 2022年2月