更新日時: 2018-08-21(YS18-AIL)

第3章 印刷物の保存と管理

この章では、読み取った印刷物を活用するいろいろな方法を説明します。

3.1.以前に読み取った内容を読む

ページの移動

本機では、1回の読み取り操作で取得した印刷物の内容はすべて ページという単位で保存されています。 毎回、読み取りをおこなうたびに、新しいページが追加されます。 前に読み取った内容をふたたび聴きたい場合には、 ページの移動という操作をおこないます。 こうすることにより、本機が現在読んでいるページを切り換えることができます。

イラスト:蓄積されたページの列
キー説明
ひとつ前のページを読み上げるには、 パネル中央右上にあるページアップ(PageUP)キーを押します。

ひとつ次のページを読み上げるには、 パネル中央右下にあるページダウン(PageDown)キーを押します。

注意
ページの移動は、 現在の文書 (後述) 内のページにのみ移動します。 別の文書に入っているページを読み上げるには、 以下で説明する文書の移動をおこなってください。

文書の移動

本機は、それまでに読み取った印刷物の内容 (ページ) をすべて保存しています。 これらはあとからもう一度読み上げることができるようになっていますが、 保存されるページの数が増えてくるとわかりにくくなってきます。 このため、本機では各ページを文書という まとまりに分けてあります。文書は、ページの束のようなものと考えてください。 各文書は日付ごとに名前がつけられており「○月○日の文書」のように呼ばれます。 たとえば 4月4日に本機を起動し、5枚 (5ページ分) のチラシを 読み取ってから電源を切ったとすると、4月4日の文書にはこの5ページが 入ることになります。このように、ある日に読み取った印刷物を 本機上で文書として保存しておけば、あとでこれらを ひとつの「まとまり」として読み上げることができます。

イラスト:蓄積された文書

本機は 1日1回、最初のページを読み取る前に 「新しい文書を作成します」とアナウンスします。 このとき新しい文書が作成され、以後、読み取ったページはすべてこの文書に格納されます。 通常は電源を切るまでこの文書が「開かれた」状態になっています。 読み取ったページは、つねに開かれている文書に追加されます。

イラスト:文書の列
ワンポイント
本機では、日付以外の方法で文書を分けることもできます。 詳しくは 新しい文書の作成 を参照してください。

現在開かれている文書内のページは、前述のページの移動を使って 読み上げることができます。しかし、前の日に読み取った文書のページを 読み上げることはできません。別の文書のページを読み上げるには、 現在の文書を閉じて別の文書を開く必要があります。 これを文書の移動と呼びます。 たとえば「4月5日の文書」が開かれている状態で、ひとつ前の文書に移動すると、 4月5日の文書が閉じられ、「4月4日の文書」が開かれます。 この後、4月4日に読み取った内容を読み上げたり、 この文書に対してさらにページを追加したりすることができます。

キー説明
ひとつ前の文書に移動するには、 取り消し(Tab)キーを押しながらページアップ(PageUP)キーを押します。

ひとつ次の文書に移動するには、 取り消し(Tab)キーを押しながらページダウン(PageDown)キーを押します。

注意
本機では、新しく読み取ったページは、 現在開いている文書の末尾に追加されます。 別の文書に移動してからページを読み取った場合、 そのページは現在開かれている文書に追加されますので注意してください。

3.2.読み取った内容を削除する

本機内部には大量の情報を保持することができますので、通常は 読み取ったページを消す必要はありません。しかし、そのページがとくに必要ない場合は ページの削除という操作をおこなうと 読み取った内容を削除することができます。

キー説明
現在読んでいるページを削除するには、 バックスペース(BS)キーを押しながらページアップ(PageUP)キーを2回押します。 1回押すと「ページ削除」とアナウンスされ、 2回押した時点で本当の削除がおこなわれます。

ページを削除したあとは、前のページが表示されます。 その文書にページがひとつもなくなった場合は 「ページがありません」とアナウンスされます。

3.3.よむべえスマイル の文書をパソコンで使用する

パソコンをお持ちの方は、本機で読み取った印刷物の内容を パソコン上で使用することができます。この操作をおこなうには、 市販のUSBメモリが必要です。 まず、USBメモリを本機のUSBポートに差し込み、 文書の保存という操作を実行します。 その後、USBメモリをパソコンに差し込むと、本機で 保存した内容をテキスト形式CSV形式などのファイルとして 「メモ帳」などのアプリケーションで開くことができます。

イラスト:文書の保存

文書の保存をおこなうには、拡張メニューという機能を使います。 本機では、あまり頻繁におこなわない操作は拡張メニューを呼び出して実行します。

キー説明
拡張メニューを呼び出すには、 取り消し(Tab)キーを押しながら、読み取り(Enter)キーの 左隣りにあるピリオド(.)キーを2回押します。

「拡張メニュー」というアナウンスがあり、 その後、上下のキーで項目が選択できる状態になります。 ここで下キーを数回押すと 「文書の保存」とアナウンスしますので、 この状態で停止・再開(5)キーを押します。

この後、保存する文書名とともに 「保存形式を指定してください」とアナウンスされますので、 保存したいファイル形式を上下のキーで選択し、 停止・再開(5)キーを押してください。

ワンポイント
拡張メニューには、通常あまり使われない操作の一覧がまとめられています。 本章で触れられている以外の機能に関しては、第6章 上級者向け機能 および 付録B. 拡張メニュー操作一覧 を参照してください。
注意
パソコン上のファイルを音声で読み上げるには、 別途ソフトウェアが必要です。

文書の保存形式

文書をUSBメモリに保存するさいに使用できる形式には、以下のものがあります:

注意
保存形式として「デイジー形式」または「MP3形式」を指定した場合、 現在の設定にかかわらず、つねにデフォルトの音声が読み上げに使われます。

3.4.しおりを使う

重要な印刷物を読み取ったときや、文書の中のある部分をあとから 何度も読みたいときは、しおりというものを使います。 本機では、ページにしおりをつけておくと、 あとからその箇所へ簡単にジャンプできます。

キー説明
現在読んでいる箇所にしおりをつけるには、 スラッシュ(/)キーを2回押します。

しおりはひとつの文書につき何箇所でもつけることができ、 その位置は電源を切った後も保存されます。文書中のどこにいても、 しおりのついた箇所には瞬時にジャンプできます。

イラスト:前のしおり・次のしおり
キー説明
しおりのついた箇所にジャンプするには、 ホーム(Home)キーまたは エンド(End)キーを使います。

ホーム(Home)キーを2回押すと、 現在読んでいる箇所よりも前にあるしおりにジャンプします。 エンド(End)キーを2回押すと、 現在読んでいる箇所よりも後にあるしおりにジャンプします。

ワンポイント
本機のしおりは、通常の書籍と違って、 各ページではなく、個々の文につけることができます。 そのため、ひとつのページに複数のしおりをつけることも可能です。

すでにしおりのついている箇所でもういちど スラッシュ(/)キーを押すと、 そのしおりは削除されます。

3.5. 特定の文書・ページに移動する

本機を長く使っていくうちに、多くの文書が本機内部に 蓄積されています。「前の文書」「次の文書」の操作を使って、 これらの文書をひとつずつ戻っていくのは大変です。 ここでは、過去に読み取った文書から自分が読みたい文書を 探しだすための機能を説明します。

キー説明
文書選択をおこなうには、 プラス(+)キーを2秒ほど押しつづけます。 「文書一覧メニュー」というアナウンスのあと、 文書が選択できる状態になります。

文書選択をしている状態では、 上下のキーを使ってひとつ前の文書、ひとつ後の文書を選択します。 各文書に対して、本機は名前と更新日時をアナウンスします。 移動したい文書が決まったら、そこで停止・再開(5)キーを押すと その文書に移動します。

また、ひとつの文書内に多くのページがあるときは、 特定のページ番号を指定して移動できる機能が用意されています。 この操作は、拡張メニューを使っておこないます。

キー説明
ページ指定移動をおこなうには、まず拡張メニューを呼び出します。 取り消し(Tab)キーを押しながら、読み取り(Enter)キーの 左隣りにあるピリオド(.)キーを2回押します。

「拡張メニュー」というアナウンスがあり、 その後、上下のキーで項目が選択できる状態になります。 ここで下キーを数回押すと 「ページ指定移動」とアナウンスしますので、 この状態で停止・再開(5)キーを押します。

この後、ページ番号が入力できる状態になります。 ここでは、本機のテンキーを通常の数値キーと同じように使って ページ番号を入力します。 ページ番号を入力したら、読み取り(Enter)キーを押すと そのページに移動します。

注意
本機のテンキーに書かれている数字は、 通常の電話機の番号とは上下の位置が逆なので注意してください。 本機では、左手前隅がゼロ(0)キーで、 その上の列が 1,2,3、その上の列が 4,5,6 …という順序になっています。