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ある自治体での取り組み事例

このページでは、当事者と決定権を持つ自治体とのやり取りの事例を一つ紹介します。

日常生活用具~ある自治体での取り組み事例

日常生活用具給付制度は、重度障害者に対し、自立生活支援用具等の日常生活用具を給付又は貸与すること等により、日常生活の便宜を図り、その福祉を増進に資することが、目的とされています。

対象品種目に該当する品例については下の情報意思疎通支援用具品例ように例示されているとおりであり、具体的には市町村が独自で判断することになっております。

このことを意識し、種目が決められる前に、地元の行政当局に対し要望書を提出し、要望品などを決定させ成果をあげている障害者団体があるので、その事例を紹介します。

要望書は、地元の視覚障害者団体の代表社から、障害者自立支援法が施行されたのちの2006年6月ころ、自治体の長あて提出された。

内容は、障害者の自立を標榜しながら視覚障害者の就労など収入源について

  1. まったく具体的な裏づけがない状態で、1割の応益負担制度へ移行することは、日常生活を圧迫する者につながる恐れがあること。
  2. 視覚障害者の生活については、従前どおりを維持し、制度移行をもって、生活を圧迫するようなことがあってはならないこと。
  3. 日常生活用具の選定にあたっては、障害当事者の意見を尊重し、「障害当事者間にニーズが高い」種目について優先的な配慮をすること。
  4. 早急に専門部会を設置し、当会の代表を参画させること。
  5. 例年要望している「まちづくり」に関して、未だに実行されていないものがあるので、早急に対処すること。
  6. 回答は、文書でお願いすること。

というように、まず、基本的なことを要望した。

結果は、厚生労働省から具体的な指示が遅れているという事情もあったりして、かなり遅れたものもあるが、「種目選定については選定委員会」という名称で設置されたこと、団体の代表はメンバーに入れなかったが意見は聞いてもらったこと、要求したものが尊重され決定されようとしていること、回答も文書でもらえたこと、事務折衝も持たせてもらっていることなど、ほぼ要望はかなったものに落ち着いた。

要望した用具の中で注目していた、パソコンにつながないでも使えて、扱いが簡単であるなどの理由で、もっとも関心事だった「よむべえ」が活字文書読み上げ装置として認められる方向にあることについて、会員の中から喜びの声が上がったと聞いている。

この「よむべえ」のほか、「もの知りトーク」、音声ブラウザの「ボイスサーフィン」など読み上げソフトについては個々人のオーダーごとに新しく採用される予定であり、3月中旬ころには選定委員会で決定される見込みであるとのことだった。

なお、行政の側から、将来的にはすべての在住障害者がパソコンを活用できるような施策を推進したいなどとの構想も提示された。

以上、このような事例を見るとき、障害者自立支援法の特色の一つは、実施主体が、地元の市区町村にまかされたところにあるので、地域間格差の懸念などはあるももの、やはり身近な窓口に対し、障害当事者が欲している生の声をとりまとめて提出してゆく重要性を強く感じる事例だった。

情報意思疎通支援用具品例

情報・通信支援用具(障害者向けのパソコン周辺機器、アプリケーションソフト)

点字ディスプレイ(盲ろうに加えて、視覚障害のみも対象になります。)

◎点字器

◎点字タイプライター

視覚障害者用ポータブルレコーダー

視覚障害者用活字文書読上げ装置

視覚障害者用拡大読書器

盲人用時計 など

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