中小企業で障害者雇用を促進するために

2007年9月14日(金) 15時~17時

豊島区障害者就労支援センター主催「ネットワーク会議」にて

場所 豊島区心身障害者福祉センター(西武池袋線の椎名町)

東京中小企業家同友会 障害者委員会・委員長

株式会社アメディア 代表取締役

望月優

東京中小企業家同友会の紹介

全国47都道府県に中小企業家同友会があり、それをまとめる中小企業家同友会全国協議会があります。

47都道府県にある中小企業家同友会はそれぞれが独立して活動しており、障害者に関係する委員会または部会を設けているところは17都道府県の同友会です。

中小企業家同友会は、

A.良い会社

B.良い経営者

C.良い経営環境

を目指して活動する中小企業家の集団です。

「良い会社」、「良い経営者」を目指す活動としては、経営理念を中核とした経営指針を立て、それを社内に浸透させて社会に貢献するビジネス組織を確立しようとしています。

「良い経営環境」を目指す活動としては、各地で中小企業進行条令の制定を働きかけたり、中小企業憲章の国会決議を目標とした活動をしています。

そのような中小企業家同友会ですが、障害者の存在は経営課題の中で大きな位置付けとはならず、障害者のことを明確に意識した委員会、部会を設置して活動しているところが全国17同友会に留まっているのが現状です。

東京中小企業家同友会、障害者委員会の活動

「中小企業家同友会障害者問題委員会のあゆみ」をご覧ください。

ここにありますように、中小企業家同友会での障害者への取り組みは、国際障害者年を契機に始まっています。

次に、「東京同友会障害者委員会の活動」から、東京中小企業家同友会での最近の活動を紹介します。

中略

東京中小企業家同友会の会員企業における障害者雇用の現状

今年の東京同友会の障害者雇用アンケートから、実態を考察します。

中略

障害者雇用に対する考え方

東京中小企業家同友会加盟の会社は規模が小さく、法定雇用率の対象になる56名以上の規模の会社は多くありません。

また、現在労働局が指導の対象にしている300人規模の会社となると、ますます少なくなり、私の知り合いの中にはそのような規模の会社経営者はおりません。

このような状況で障害者雇用を考えるとき、障害者を経営資源として位置付けられるかどうかが課題だと考えます。

中小企業は常に求人難に悩まされています。

しかし、悩まされている企業の多くは、障害者を採用することを念頭においていません。

それは、自社の業務の中で障害者が担当する業務のイメージが全くつかないからにほかなりません。

障害者と言っても幅が広く、障害の種類や各自のスキルによって、できること、できないことは個別具体的に検討する必要があります。

逆に言えば、個別具体的に検討すれば、かなりの障害者に活躍の場が与えられるはずなのです。

これを、「障害者の戦力化」という経営者サイドからの表現を用いて、何とか会員企業に障害者雇用を念頭に置いてもらうための具体的な一歩を踏み出したところです。

障害者委員会では、今年度の活動理念を

「障害者の働き方から人間尊重の経営を模索する」

と立てました。

「人間尊重の経営」は、同友会が目標とする「良い会社」の経営です。

それを「障害者の働き方」から見出すことができるのではないだろうかというのが今年度のテーマなのです。

昨年度においては、それぞれの障害者と仕事の関わりを学んできました。

今年度は、さらに具体的な事例を学び、障害者の働き方を体系化することによって障害者を戦力化する方向性を見出したいと考えています。

従業員を戦力化しない雇用はその人を尊重していない雇い方だと考えます。

人は誰でも、職場で自分が役に立っていないと思えば生き生きとした職場生活を送ることができなくなります。

経営者は従業員を戦力化し、従業員は自分の活躍で仕事が回っていることを体感することこそ、人間尊重の経営の第一歩ではないかと考えます。

そして、当然ですが、障害者もその中に入るのです。

障害者を送り出す側に求めること

前向きに生きる力こそが大切です。

そして、新しい人間関係の中でもコミュニケーションがスムーズに取れるコミュニケーション力が次に大切です。

職業訓練校ではスキルを教えます。

スキルはその人に自身を持たせます。

自身は前向きに生きる心のエンジンになります。

しかし、心の持ち方によっては、スキルがその人の人生を制限することもありえます。

ある会社から求人があって面接を行なったとき、スキルとして身についていることは「できる」と言えます。しかし、会社の求めるスキルが少し方向が違ったときはどうでしょうか。

「それはできません」と答えれば、障害者に慣れていない会社の担当者は「やはりできないんだな」と思うでしょう。

「それはまだ勉強していませんが、○○は勉強してきたので、少し勉強すればできるようになると思います」と答えたなら、印象がぜんぜん異なります。

コミュニケーションは場数です。

福祉作業所などの狭い人間関係の中ではコミュニケーションが取れても、新しい人間関係の中ではなかなかうまく話ができないという人は少なくありません。

障害者が就職する場合には、文化的バックグラウンドの異なる人達の中に飛び込んでいくのですから、よりしっかりとしたコミュニケーションの力が求められます。

ですから、障害者を送り出す皆様には、「前向きな心」と「コミュニケーション」に焦点を当てて障害者を育てていただければと思います。

株式会社アメディア

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