歯を食いしばって生きるよりも笑顔で死にたい!望月流・人生を楽しむ心の持ち方

2009年5月13日

池袋ビジカルランチにて

「人生の質は感情の質なり」

これが今の私の人生観です。

2007年11月29日の日記に、以下の記述があります。

--- 望月優の日記から ---

人生の質ランキング

Aランク:にこにこしながら努力する

Bランク:にこにこしながら努力しない

Cランク:苦虫をつぶしながら努力する

Dランク:苦虫をつぶしながら努力しない(不平、不満を持った状態、人のせいにする状態)

BとCは微妙だが、心の状態が人生を造っているので、心の状態が良い、つまりにこにこしていることの方が努力して進歩することよりも優先である。


アメディアを創業した20年前、起業した四畳半の部屋の大家さんは目と耳の両方が不自由な盲ろう者の女性でした。

あるとき、親しい仲間から「なぜ榎本さんはいつもそんなに明るいの」と訊ねられて、彼女はこう答えました。

「同じ人生、笑って暮らしても泣いて暮らしても同じなんだから、それなら笑って暮らした方がいいでしょ。」

当時は「なんて能天気な考え方なんだろう」と思いましたが、私は、今ようやく、この言葉の意味の深さと価値が判るようになりました。

1. 以前の私の人生価値観

私は、「努力すること」に最大価値をおいていました。

自分の人生を切り開くためには、弛みない努力が必要だと考え、2年前、49歳までその価値観で頑張ってきました。

2007年11月29日の日記は、私の価値観転換の後の日記なわけですが、それ以前の私は、「にこにこしながら」という部分には全く価値を置いていなかったので、笑顔で努力するのも仏頂面で努力するのも同じという感覚でした。

確かに、その「努力することこそ大切である」という価値観とそれに従った頑張りが、目が見えない状態で起業して、アメディアの基礎を築くところまで私を持ち上げてくれたと感謝しています。

ですが、アメディアは赤字が通常化していて、常に自転車操業で、私は歯を食いしばって頑張りつづけなければ続けていけない状態でした。

2. 心の持ち方の変化

過去の私の価値観の形成には、父親の影響が多大でした。

2006年9月10日に父親が他界し、努力家の父親の影響のたがが外れて、その後に新しい価値観が入る余地が私の心の中にできたように思います。

父親は、常に頑張ること、努力することを小さい頃から私に叩き込み、その結果、「歯を食いしばって頑張る」体質が私に身につきました。

私は、自分自身が変わらなければ会社はよくならないと思い、その変化の方向性を求めて、2007年頃から自己啓発本をよく読むようになりました。

私が学んだ自己啓発本セレクション


ナポレオン・ヒル 「思考は現実化する」

スティーブン・コビー 「七つの習慣」

ジェームス・スキナー 「成功の9ステップ」

アンソニー・ロビンス 「一瞬で自分の夢を実現する方」


それらから得たことは、これら成功哲学者や自己啓発コンサルタントたちも「努力」を推奨しているのですが、その「努力」は無理をしながら頑張る努力ではなく、楽しみながらこなしていく努力だったのです。

私が感じ取った彼らの教えのエッセンスは、

の2点でした。

3. 努力を快楽に連想させる(NLP(神経言語プログラミング)の学説)

成功コンサルタントと言われるジェームス・スキナーやアンソニー・ロビンスは、NLP(神経言語プログラミング)という心理学の学説を基盤として理論を展開しています。

NLPは、1970年代の米国で非常に大きな成果を上げていたスーパー・カウンセラーをリチャード・バンドラーとジョン・グリンダーが取材して、彼らの成功の秘訣を学問としてまとめたものだそうです。

人間は、「痛みを避けて快楽を求める動物」だそうです。ということは、「努力」を「快楽」と連想できれば、その努力は「無理に頑張る」のではなく、楽しい気持ちで自然に行なえる努力に変わるわけです。

よく例に上げられるのが

です。

は簡単に変えられます(鰻だと思って食べたら蛇だった)

4. 感情のコントロール

もう一つ学んだ大きなポイントは、感情のコントロールです。

スティーブン・コビー博士はこのことを「刺激と反応の間のスペース」という表現で表しています。

「刺激」というのは、自分の周りで起こった出来事が自分の心に与える刺激です。

「反応」というのは、自分自身の反応行動のことです。

良い刺激なら素直に反応すれば良いのですが、悪い刺激が自分を襲ったとき、一拍間をとって自分の解釈を良い解釈に方向転換してから反応することができれば、人生が前向きに回転し始めるという考え方です。

(例) 夫婦の会話

  1. 私が夜遅く酔っ払って帰ってくる、奥さんが怒る、私が反抗する・・・。
  2. 私が夜遅く酔っ払って帰ってくる、奥さんが怒る、私は反抗せず、いつものけなげな働きに感謝して誤る・・・。
  3. 私が夜遅く酔っ払って帰ってくる、奥さんがいつもの苦労をねぎらって温かく受け入れる・・・。

このように、どこかで前向きに解釈して前向きな反応行動を取ると、それが基点となって人生の流れがマイナス方向からプラス方向に転換するわけです。

自分の周りで起こった事実は変えられないけれども、その事実に対する解釈は変えられる、解釈を変えて前向きに解釈することにより、自分の感情を前向きに保つことができる、感情が前向きだと自分の取る行動も前向きになり、前向きな行動を取ると周囲の自体も前向きに転換していくという循環が、感情のコントロールの果実です。

アメディア創業時の大家さん、榎本悠起枝さんも、目と耳の両方が不自由だという大変大きな障害を持ちながらも、物事をプラスに解釈して明るく生きるすべを心得ていたんだなあということをつくづく感じます。

このような学びを経て、2008年の私の新年の抱負は次のようなものになりました。

5. アメディア社内の変化

アメディアは暗い会社でした。

社員は皆デスクに向かって静かに事務作業をしながら電話を待ちます。

電話がかかってくると、静かなトーンで対応し、お客様の用件を受けます。

アメディアは電話での問い合わせや注文が多い会社なので、同時に複数の社員が電話対応しているときには、オフィス内がにぎやかなときもありましたが、社員同士の会話は少なく、電話がないときには沈黙オフィスでした。

また、プログラム開発をしている開発スタッフも同じオフィス内にいるので、なるべくオフィス内では無駄話をしないようにすること、お客様と電話で会話するときにもなるべく小声で話すよう仕向けていました。

当時は、私が話があって社員を会議室に呼び出すと、いつも社員は緊張していました。何か小言を言われるのではないかと疑心暗鬼になっていたと感じます。

当時の私は、努力する人でしたから、努力の足りない社員に対しては、厳しいスタンスで向き合っていました。

意図した自己性格改革

2007年3月にジェームス・スキナーの成功の9ステップのライブセミナーに参加した後、私は、私自身のスタンスを思いっきり変えようと試みました。

自分自身がどのぐらい「能天気」と思われるほど明るい態度が取れるか挑戦しようという気になったのです。

朝礼や終礼のときにもできる限り大きな声、明るい声でみんなに声をかけるようになりました。

自分が話をするときにも、いつもにこやかで、明るい雰囲気の口調と声で話すよう明確に意識し始めました。

それでも、しばらくの間は社内の雰囲気はあまり変わりませんでした。むしろ、私が一人浮いているような雰囲気を感じました。

しかし、これを明るい気持ちで続けました。

もともと口が回らないことがよくあり、発声方法もうまくないのであまり大きな声が出ません。大きな声を出そうとすると怒鳴り声になってしまい、明るい大きな声になりません。

そこで、元社員で今女優になっている者がいるので、彼女とそのパートナーの男優にお願いして発声練習と滑舌訓練の方法を教わり、毎朝社員が出社する前にこれを行なって、朝礼を迎えるようにしました。

こんなことを繰り返す中で、多分、私の口調が明るくなり、話しているときの笑顔が社員の心の中に自然だと思えるようになったのだと思います。

社員を会議室に呼び出しても、以前の緊張した雰囲気はなく、喜んで会議室にきてくれるようになりました。

小言ではなく、仕事の相談だろうという連想が社員の意識になったのだと思います。

「会議室に呼び出されること」が痛みから快楽に変わった瞬間です。

すると、私の方も何か相談事や個別の意見を聞きたいときに社員を会議室に呼び出すことがだんだん快楽になってきて、気軽に声を掛けられるようになりました。

これまで、オフィス内ではなるべく静かにしようというスタンスを取っていたのを切り替えて、「社員同士、わからないことがあったらどんどん会話して課題を解決してください。」というスタンスに変えました。

すると、社員間でのコミュニケーションも活発になり、仕事の連係もスムーズになってきました。

さらには、社員のお客様に対する電話対応の雰囲気も明るくなり、お客様との対立ケースも徐々に減少してきました。

この体質変化によって、私と社員、社員間そして社員とお客様とのコミュニケーションが活発になり、コミュニケーションが取りやすい環境から建設的な意見交換が生まれ、有効な意見交換から適切な判断に繋がり、適切な判断からできることの上限イメージが上がり、できることのイメージアップから私の掲げる高い目標に対しての現実感が社員の心にも伝わってきたと思います。

その結果、創業時からの念願の目標だった「会社の黒字体質化」が昨年度ようやく実現しました。

まとめ

努力することは大切だけれども、頑張ることは大切ではない。

頑張ることよりも楽しむことが大切である。

これまで頑張ってやってきたことは、快楽に連想させることによって楽しみながらできるようになる。

禁煙は頑張ってやらなくてもよい。楽しみながらやればよい。

普通のことに感謝することによって、ほとんどの出来事は楽しみになる。

お客様のクレームに向き合うことが楽しみになれば、その会社は伸びる。

最後に、

死ぬ瞬間まで笑顔でいられる人生を送りたい。

株式会社アメディア

〒176-0011
東京都練馬区豊玉上1-15-6
第10秋山ビル1階
電話:050-1791-2070
FAX:03-3994-7177

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