2007年9月3日
ハローワーク品川にて
障害者雇用率未達成企業へのアドバイス
アメディアとは
1989年に設立し、視覚障害者向けのシステム開発・販売を行なっています。
現在は、音声読書機「よむべえ」を中心に展開しています。
資本金3200万円、従業員数12名、年商2億円規模の会社です。
障害者は視覚障害のプログラマーと本橋さん(仮称)の二人です。
そのほかに、視覚障害者にライティングや録音マニュアルの作成、英日翻訳を外注しています。
本橋さん採用に当たって留意した点
基本的に、本橋さん本人の希望とワーキングトライのアドバイスに従うことにしました。
もともとメルマガの編集という仕事柄、在宅でもできると考え、在宅で作業してくれる人を募集していました。
しかし、アドバイスに従って、通勤していただくこととしました。
経過の中で留意した点
本橋さんを特に障害者として位置付けるのではなく、仕事をする一人の仲間として位置付けました。
当初はメルマガ編集の仕事だけでしたが、
- 機器の組立
- ホームページ制作
などと、本人の希望を聞きながら、カバーする業務を増やしていきました。
今では、
- ブログの設置とカスタマイズ
- 発送業務
- 点訳
など、業務領域を順次増やしています。
社内の雰囲気の変化
最初は本橋さんが一人で沈黙して仕事をしている状態でしたが、徐々に一人一人の社員と言葉を交わすようになりました。
この流れは、ほかの社員が入社したときでも基本的には同じです。
今では、業務領域が増えたこともあって、いろいろな社員と連係して仕事をしています。
ワーキングトライと関わっての感想
ワーキングトライさんの仲介とアドバイスがあったお陰で、本橋さんとの関係をスムーズに保つことができていると感じています。
本橋さんの方でも、ワーキングトライさんに相談することによって、課題の整理をつけていることがしばしばあるようです。
また、実は、本橋さん以外の社員がウツになって出社できなくなったことがあり、そのときには私がワーキングトライさんに相談させて頂きました。
企業へのメッセージ
「障害者」というと、
- 何ができるのだろうか
- 周りの人達とうまくやっていけるのだろうか
という不安が皆さんの中にあるのだろうと思います。
人を採用しようとするとき、
A.やって欲しい仕事がある。
B.その仕事ができる人を探す。
C.その見つけた人の中から、仲間の社員との連係で生産性が高くなる人を選ぶ。
というプロセスになるかと思います。
「障害者」と言っても、実は個々人で性格も違いますし能力も異なります。
B.のプロセスの「その仕事ができる人」に障害のある人が当てはまることは少なくありません。
例えば、ホームページ制作なら車椅子に乗っている人でもできます。精神障害の方でもできます。
画像加工なら、耳の聴こえない人でもできます。
清掃や封入などの作業は、知的障害の方もできます。
このように、仕事の角度から障害者をみたとき、その仕事ができる障害者はいくらでもいるのです。
後は、C.のプロセスでチームとしての生産性がより向上するように仕組み作りするだけです。
これは、マネジメントの分野に入り、障害者を交えたチームでの生産性向上は、企業体質を強化します。
最後に、提案があります。
求人広告を出すとき、「障害者OK」と書いて出してみてはいかがでしょうか。
求人誌やインターネットの求人情報をみて申し込んでくる障害者は非常に働く意欲のある障害者です。
障害を隠して申し込んでくるようなことも起きません。
さらに、「障害者OK」という記述は、障害者でない求職者にも「よい会社だ」というイメージをもたらすため、より前向きで有能な人達が集まってくるものと思います。
このように、皆さんの一般求人に障害者も含める考え方を一つの柱に立てていただければと思います。