障害者雇用はあなたの会社の『戦力』になります!

2009年9月25日

東京中小企業家同友会千代田支部 昼例会 スピーチ・レジメ

富士見区民館 2階A会議室

東京中小企業家同友会 障害者委員会・委員長 望月優

障害者雇用納付金制度とは

事業主間の経済的負担を調整する観点から、雇用障害者数が法定雇用率(1.8%)に満たない事業主から、その雇用する障害者が一人不足するごとに1ヶ月当たり5万円を徴収し、それを原資として、法定雇用率を超えて障害者を雇用する事業主に対し、障害者雇用調整金(超過一人につき1ヶ月27,000円)やその他の助成金を支給する仕組みです。

改正障害者雇用促進法

08年通常国会で改正。

常用労働者数56人以上の企業は最低1名(法定雇用率1.8%)の障害者雇用が義務付けられています。

今回の改正では、常時労働者数301人以上の事業主に限られていた障害者雇用納付金制度の適用が、段階的に中小企業にも拡大されます。

2010年7月から常時労働者数201人以上、2015年4月から101人以上の事業主へ対象が拡大されます。

障害者雇用数のカウント方法

週の労働時間が30時間以上の障害者社員は、中・軽度の障害者がカウント1、重度の障害者はカウント2となります。精神障害者はカウント1です。

週当たりの労働時間が20~30時間の社員を短時間労働者と呼び、中・軽度の場合には0.5カウント、重度の場合には1カウントとなります。精神障害者は0.5カウントです。

特定求職者雇用開発助成金

高齢者や障害者を新たに雇い入れた場合には、一定期間、助成金が出ます。

なお、この助成金を申請するためには、雇い入れは、ハローワークまたは認可を受けている人材紹介業者を通して行なう必要があります。

上記助成金額は、30時間以上の社員を雇用した場合であって、中小企業に対する助成金額です。

詳しくは、下記のホームページでご確認ください。

特定求職者雇用開発助成金

http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/c02-4.html

障害者の戦力化事例

1.大企業の優等生、ユニクロ

ここ数年間、従業員数5000人以上の企業の中で障害者雇用率トップ。7%を越える。

各店舗に一人または二人を雇い入れる方式。障害者を入れることによって、その店舗の社員の顧客耐応力が高まったと聞く。

2.障害者雇用の先駆者、日本理化学工業

50年前から障害者雇用を手がけている中小企業。50年前に雇用した第1号障害者が今でも働いている。

従業員数約70名のうち、約50名が障害者。

もの作り現場の工場では、数名の管理者以外すべて障害者で製造ラインを組んでいる。

障害種別はほとんど知的障害者。

3.障害者戦力化のプロ、大東コーポレートサービス

大企業が障害者雇用率を確保するために設置した特例子会社の中の最優等生。

現在、社員56名のうち39名が障害者。障害種別は身体、知的、精神のすべてにわたる。

4つのサービス部門に分け、業務を細分化した上で障害者個々人の特性に応じて細かく業務を割り振っている。

社長の山﨑氏は、最初は生産性の低い障害者でも、業務を本人に合わせることにより即戦力化し、それと同時に本人の能力を高めていくことにより、その業務範囲を拡大していく障害者戦力化のプロ。

11月18日に山﨑社長をお招きして渋谷商工会館で例会を行ないます。

4.同友会の仲間、高田紙器製作所

先代社長のときから障害者を雇用している。

障害者の生産性を高めるために業務の細分化・見える化を進めたところ、会社全体の業務効率が上がった。

社員数10数名で、3名の知的障害者を雇用している。

5.アメディア

社員数12名のうち、精神障害者2名、重度視覚障害者1名(障害者数カウント3.5)。

2005年に一人目の精神障害者を雇用してから、私が「心のエネルギー」に関心を持つようになり、彼の心のエネルギーを高めることに注力し始めたところ、会社全体が明るくなり、社員みんなの心のエネルギーが高まってきた。

各障害種別に対する雇用ノウハウ

1.知的障害者:明確な指示で単純作業を。

単純作業を切り出すための業務細分化が大切。

2.精神障害者:短時間勤務から徐々に職場に慣らしていく。

集中力が長く続かないこと、そのことを重く捉えすぎることがあるので、本人のペースで働ける環境が作れれば活躍できます。

3.身体障害者:個人の得意分野を見抜いて生かす。

望月優なら、・・・・・。

障害者雇用で磨かれる企業体質

A.適材適所の経営が学べる身体障害者の雇用

身体障害者とは、手足が不自由だったり目が不自由・耳が不自由な障害者のことです。

身体障害者の中でも、手足が不自由な人々は仕事の面で一番理解しやすいです。

ただ、代替機能と言って、手がない人でもパソコン操作が足でできたりすることがありますから、それらをよく理解した上で、その人がもっとも活躍できる場を作ってあげるだけで成功です。

視覚障害者や聴覚障害者は、はじめて会う人にとっては少し理解しづらいところがあります。

視覚や聴覚の障害は感覚障害なので、今は目が見えないとか今は耳が聞こえないと言った現在の表面的な状態だけでなく、その環境がこれまでその人をどのように育ててきたのかということにも心を配る必要があります。

目が見えない人は、音声出力を聞きながら操作できるパソコンがあるので、文章を書くのは苦手ではありませんが、子供の頃から見えなかった人は、漢字の使い方をよく間違えることがあります。それは、点字には漢字がなく、小中学生の頃に漢字を勉強してこなかったからです。

耳が聞こえない人の中には、文章を書くのが苦手な人がいます。小さい頃から耳が聞こえない人は、言語を聞いて診に付けることができなかったため、文章があまり得意ではありません。その代わり、絵やデザインに対する感性は研ぎ澄まされています。

これら、障害特性を理解した上で、さらに個々の障害者の特性を理解すれば、適材適所の配置は容易に行なえます。

B.業務分析が鍛えられる知的障害者の雇用

知的障害者に対しては、「1を言ったら10を行なえ」式な業務支持は酷です。これは、どなたにも理解できると思います。

知的障害者に業務をスムーズに行なってもらうためには、

です。

この作業を行なうと、業務を細かな要素に分解することができ、これまで一人の社員の判断に頼っていた部分を、チームで分担して行なうということができるようになります。

知的障害者を含むチームが生産性を上げることを目指すことによって、おのずと業務の見える化と最適化が進み、会社全体の経営効率が上がります。

C.社員の心の状態管理が磨かれる精神障害者の雇用

精神障害者が元気な状態で働くためには、その人の心の状態に気を配り、常にその人が良い心の状態でいられるように配慮する必要があります。

そして、その人が「良い心の状態」でいられるためには、社長だけでなく、社員全員が明るく前向きに振る舞う社風が必要です。

私の経験から、社員が自分を肯定する程度が70パーセントを下回らないように常に言葉を交わし、指示を出す中で勇気付けていくことが大切だと感じています。

私の今までの経験上、いくら褒めたり勇気付ける言葉を掛けたりしても、やりすぎということはありません。精神障害の方が自信過剰になって傲慢になったという経験はまだありません。

一方、健常の社員の場合には、傲慢になることもあります。

個々の社員の心の状態が「自己肯定度70パーセント」になることをメドに接していれば、社員の心のエネルギーが高まり、会社の生産性が上がると感じています。

精神障害者はその意味で一番ハードルの高い社員なので、その人達がやる気になって働ける職場が作れれば、もうその会社は鬼に金棒と言えるでしょう。

株式会社アメディア

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